解体お役立ち情報
2025.07.21
建物解体で固定資産税はどうなる?増減シミュレーションと対策

建物解体後、固定資産税はどうなるのか?
老朽化した建物の解体、相続した空き家の処理など、様々な理由で解体を検討する際に、税金への影響は大きな懸念事項です。
特に固定資産税は、土地の所有者にとって大きな負担となるため、解体前後の税額の変化を正確に把握しておくことが重要です。
今回は、建物解体と固定資産税の関係について、具体的な例を交えながら解説します。
目次
建物解体 固定資産税の増減を徹底解説
解体前後の固定資産税の違い
建物を解体すると、建物にかかっていた固定資産税はなくなります。
しかし、だからといって、必ずしも税負担が減るわけではありません。
むしろ、多くの場合、税額は増加します。
その理由は、住宅用地の特例措置が適用されなくなるためです。
住宅用地の特例措置とは、住宅が建っている土地に対して、固定資産税等を軽減する制度です。
この特例により、固定資産税と都市計画税が大幅に減額されます。
具体的には、敷地面積200平方メートル以下の土地(小規模住宅用地)では固定資産税が1/6、都市計画税が1/3に軽減され、200平方メートルを超える土地(一般住宅用地)では固定資産税が1/3、都市計画税が2/3に軽減されます。
建物を解体すると、この特例措置が適用されなくなり、土地の評価額が上昇します。
そのため、固定資産税と都市計画税の税額が増加するのです。
ただし、増加幅は必ずしも6倍や3倍になるわけではなく、土地の評価額や自治体の負担軽減措置など、様々な要因によって異なります。
住宅用地の特例措置とは?
住宅用地の特例措置は、住宅の所有を促進し、住宅地の安定供給を図ることを目的とした制度です。
住宅が建っている土地の税負担を軽減することで、住宅の建築・購入を促し、地域社会の発展に貢献することを目指しています。
この特例措置は、住宅が建っている間のみ適用されます。
住宅が取り壊されたり、用途が住宅以外に変更されたりすると、特例措置は失効します。
固定資産税の計算方法と具体的な例
固定資産税は、土地や建物の評価額に税率を乗じて計算されます。
税率は自治体によって異なりますが、標準税率は1.4%です。
都市計画税は、市街化区域内の土地・建物に課税され、税率は自治体によって異なりますが、最大で0.3%です。
具体的な例として、敷地面積100㎡、固定資産税評価額3000万円の土地に、固定資産税評価額500万円の住宅が建っているケースを考えてみましょう。
この場合、住宅用地の特例措置が適用されると、固定資産税は
・土地:3,000万円 × 1/6 × 1.4% = 7万円
・家屋:500万円 × 1.4% = 7万円
で合計で14万円となります。
都市計画税は
・土地:3,000万円 × 1/3 × 0.3% = 3万円
・家屋:500万円 × 0.3% = 1.5万円
で合計で4.5万円となります。
しかし、住宅を解体すると住宅用地の特例措置が適用されなくなり、
・固定資産税は3,000万円 × 1.4% = 42万円
・都市計画税は3,000万円 × 0.3% = 9万円
となり、それぞれ大幅に増加します。
この場合、固定資産税は約3倍(14万円 → 42万円)、都市計画税は約2倍(4.5万円 → 9万円)に増加するため、更地にする前に慎重な検討が必要です。
しかし、これはあくまで一例であり、実際の税額は土地の評価額や自治体の税率、負担軽減措置の有無によって大きく変動します。
解体時期と税金との関係
固定資産税は、毎年1月1日時点の状況を基に算出されます。
そのため、解体時期を調整することで、税金への影響を軽減できる可能性があります。
例えば、1月1日以降に解体工事を完了させれば、その年の固定資産税は解体前の税額になります。
固定資産税の負担を軽減する方法
税金軽減措置の活用
自治体によっては、固定資産税の負担を軽減するための様々な措置が用意されています。
具体的には、高齢者や障害者に対する減免措置、低所得者世帯に対する減免措置などがあります。
これらの措置の利用条件や申請方法については、各市区町村の税務窓口に問い合わせる必要があります。
また、公益のための固定資産として土地を利用する場合にも税軽減措置が適用される場合があります。
土地の有効活用
解体後の土地を有効活用することで、固定資産税の負担を軽減できる可能性があります。
例えば、駐車場として賃貸する、建物を建て替えて賃貸住宅とする、などです。
有効活用によって得られる収益で、固定資産税の負担を相殺できる場合があります。
解体後の土地売却
解体後すぐに土地を売却することで、固定資産税の負担を回避できます。
特定空き家と固定資産税
特定空き家の定義とリスク
特定空き家とは、空家等対策の推進に関する特別措置法で定義された、放置することで周辺の生活環境に悪影響を与えるおそれのある空き家のことです。
特定空き家に指定されると、市町村から勧告・命令を受け、最終的には代執行(強制的な解体)が行われる可能性があります。
また、固定資産税の減免措置の適用対象外となる場合もあります。
特定空き家にならないための対策
特定空き家にならないためには、適切な管理を行うことが重要です。
具体的には、建物の定期的な点検、草木の刈り払い、ゴミの放置防止などです。
また、所有者不明の土地にならないよう、所有権の明確化も必要です。
まとめ
建物解体後の固定資産税は、住宅用地の特例措置が適用されなくなるため、多くの場合増加します。
しかし、増加幅は必ずしも6倍や3倍ではなく、土地の評価額や自治体の負担軽減措置などによって大きく変動します。
解体時期の調整や税金軽減措置の活用、土地の有効活用などを検討することで、税負担を軽減できる可能性があります。
特定空き家にならないよう、適切な管理も重要です。
解体に関する費用や税金について不明な点があれば、専門家への相談も検討しましょう。
固定資産税の増減はケースバイケースであることを理解し、ご自身の状況に合わせた対策を立てることが大切です。
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