解体工事前の準備リスト行政手続きや近隣への伝え方も網羅

解体工事を始めるにあたっては、近隣住民への配慮から法的な手続き、そして物理的な準備まで、多岐にわたる事項を事前に確認し、計画的に進めることが不可欠です。
予期せぬトラブルを避け、円滑に工事を完了させるためには、どのような準備を、いつ、どのように行うべきか、その全体像を正確に把握しておくことが重要となります。
今回は、解体工事を成功させるために欠かせない、事前の確認事項と具体的な手順について、網羅的に解説していきます。
目次
近隣住民へ解体工事をどう伝える?
工事開始前に挨拶と説明を行う
解体工事は、騒音、振動、粉塵の発生など、近隣住民の生活に少なからず影響を与える可能性があるため、工事開始前に丁寧な挨拶と説明を行うことが、トラブルを未然に防ぎ、円滑な工事を進める上で極めて重要となります。
一般的には、工事開始の1週間から2週間前を目安に、工事現場に隣接する家屋や、向かいの家、道路を挟んだ家屋など、工事による影響が予想される範囲の住民の方々へ直接訪問し、工事の概要について説明を行うようにしましょう。
訪問時には、工事期間や時間帯、予想される影響、そして万が一の際の連絡先を明確に伝えることで、住民の方々の理解と協力を得やすくなります。
不在の場合でも、ポストに投函するなど、何らかの方法で情報が伝わるように配慮することが大切です。
挨拶状で工事内容と期間を伝える
直接訪問して挨拶をすることが理想ですが、不在であったり、訪問だけでは情報が伝わりにくかったりする場合に備えて、工事内容や期間を具体的に記載した挨拶状を作成し、配布することが非常に効果的です。
挨拶状には、工事の正式名称、工事期間(開始日と終了予定日)、工事内容の詳細(重機使用の有無、作業時間帯など)、工事車両の出入り場所や時間帯、騒音・振動・粉塵に対する配慮事項、そして万が一、苦情や懸念事項があった場合の連絡先(担当者名、電話番号)などを明記します。
これにより、住民の方々は工事の全体像を把握しやすくなり、具体的な不安点があれば事前に連絡してくることも期待できます。
挨拶状は、直接手渡しするのが最も丁寧ですが、ポストへの投函でも構いません。
工事開始前に、近隣住民の方々が工事内容を正確に理解するための重要な手段となります。
解体工事前に必須の行政手続きは?
建築リサイクル法に基づく届出を期限内に行う
一定規模以上の建造物の解体工事においては、「建設工事に係る資材の再利用の促進に関する法律」、通称「建築リサイクル法」に基づき、事前に行政への届出が義務付けられています。
具体的には、木造で延べ面積250平方メートルを超える建築物、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの建築物を解体する場合が対象となります。
この届出は、工事を開始する日の7日前までに、管轄する市区町村の担当窓口に行う必要があり、届出書には建物の情報や解体工事の方法などを記載した書類を添付します。
届出を怠った場合、罰則が科される可能性もあり、また、適正な分別解体やリサイクルの推進という法律の趣旨に反することにもなりますので、建築物の規模や構造を確認し、対象となる場合は必ず期限内に所定の手続きを完了させてください。
道路使用許可など工事に必要な許可を取得する
解体工事を実施するにあたり、工事車両の通行や資材の一時保管、重機を設置する場所などが公道に及ぶ場合、道路交通法に基づく「道路使用許可」や「道路占用許可」を、工事開始前に管轄の警察署や道路管理者に申請し、取得する必要があります。
これらの許可なく道路を使用することは法律違反となり、工事の中断や罰則の対象となるだけでなく、交通の妨げや事故の原因にもなりかねません。
許可申請には、工事計画、交通誘導計画、作業工程などを詳細に記載した書類の提出が求められ、審査を経て許可が下りるまでには一定の時間を要するため、工事開始予定日の少なくとも1〜2週間前、場合によってはそれ以前から準備を進めることが望ましいです。
近隣住民の安全確保と交通の円滑化のためにも、必要な許可は確実に取得しましょう。
解体工事前の準備リスト
ライフラインの停止撤去を手配する
解体工事が始まる前に、建物に供給されている電気、ガス、水道といったライフラインの供給を停止し、必要に応じてメーターなどの撤去を手配する必要があります。
電気については、電力会社に連絡して契約解除の手続きを行い、ブレーカーを落とす、あるいは配線の引き込み部分を撤去します。
ガスは、ガス会社に連絡して開栓停止とメーターの撤去を依頼し、漏洩などの事故を防ぐ必要があります。
水道についても、水道局に連絡して止水栓を閉め、メーターを撤去する手続きを行います。
電話回線やインターネット回線なども、必要に応じて移転または解約の手続きが必要です。
これらの手配は、工事開始の1〜2週間前、場合によってはそれ以前に完了させておく必要があり、各事業者への連絡や工事日程の調整が求められます。
メーターの撤去作業など、立ち会いが必要な場合もあるため、計画的に進めましょう。
家財や不要品を計画的に処分する
解体工事は、建物本体を解体する作業であり、建物内に残された家財道具や不要品は、原則として別途処分する必要があります。
これらの物品を建物と一緒に解体して埋め立てたり焼却したりすることは、廃棄物処理法に抵触する可能性があり、また、再利用やリサイクルが可能なものも多く含まれるため、環境負荷の観点からも適切ではありません。
そのため、工事着工前に、家財や不要品をすべて搬出し、適切に処分する計画を立てることが不可欠です。
不用品回収業者に依頼する、自治体の粗大ごみ収集を利用する、リサイクルショップやフリマアプリで売却するなど、様々な処分方法が考えられます。
品目や量に応じて最も効率的かつ経済的な方法を選択し、工事の遅延や追加費用が発生しないよう、計画的に処分を進めましょう。
信頼できる解体業者を選定し契約内容を確認する
解体工事を安全かつ適正な価格で、そして近隣への配慮も十分に行いながら進めるためには、信頼できる解体業者を選定することが最も重要と言えます。
業者を選定する際には、複数の業者から見積もり(相見積もり)を取り、工事内容、工期、費用、追加費用の有無、廃材処理の方法、近隣への配慮体制、万が一の事故への対応(保険加入状況など)といった項目を詳細に比較検討することが不可欠です。
過去の実績や評判、保有資格、建設業許可や解体工事業登録の有無なども確認のポイントとなります。
選定した業者とは、契約内容を書面で明確に確認し、工事範囲、着工・完了時期、請負金額、支払い条件、責任範囲、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の取り扱いなどを詳細に定めた契約書を締結することが、後々のトラブルを防ぐために極めて重要です。
まとめ
解体工事を成功させるためには、事前の準備が極めて重要であり、近隣住民への丁寧な説明、建築リサイクル法に基づく届出や道路使用許可といった行政手続きの確実な実行、そしてライフラインの停止や家財の処分、信頼できる業者選定といった実務的な準備を計画的に進める必要があります。
これらの多岐にわたるタスクを工事開始前に漏れなく完了させることで、予期せぬトラブルを回避し、安全かつ円滑な工事の実現へと繋がります。
名古屋市周辺で災害後の解体工事をご検討中の方は、ぜひ弊社にご相談ください。
弊社は、空き家や被災住宅の解体工事から、その後の土地活用まで幅広くサポートしております。
安全で確実な工事を通して、皆様の生活再建を支援いたします。






